最終選考に残った二人の候補者に、同じPdMポジションで企業が提示した年収には78万円の開きがありました。片方はエンジニア出身、もう片方はSaaS企業の法人営業出身。経験年数はほぼ同じで、面接評価もどちらも「甲乙つけがたい」という評価だったにもかかわらず、です。
私はIT・Web業界を中心に800名以上の転職支援に携わっていますが、プロダクトマネージャー(PdM)のオファー面談に同席していると、企業が年収の根拠にする評価軸が候補者の出身背景によってはっきり変わる場面によく出会います。今回は、なぜエンジニア出身とビジネス職出身とで提示額の考え方が違うのか、そして職務経歴書でどちらの強みを前面に出すべきかを、実際のオファー内容を踏まえてお伝えします。
今回は、次の内容に沿ってご紹介します。
- プロダクトマネージャーの年収相場と、エンジニア出身・ビジネス職出身の構成比
- 企業がオファー年収の根拠にする評価軸が、出身背景でどう変わるか
- 職務経歴書でどちらの強みを前面に出すべきか、対比構造での書き方
目次
- プロダクトマネージャーの年収相場と、エンジニア出身・ビジネス職出身の構成比
- なぜ出身背景で評価軸が変わるのか、企業が年収の根拠にする力の違い
- エンジニア出身に企業が積むのは「技術的意思決定力」
- ビジネス職出身に企業が積むのは「事業成果と調整力」
- PjM出身・コンサル出身はどちらの軸で語ればいいか
- 相談事例、同じ求人で78万円の差がついた二人の最終候補者
- 職務経歴書で前面に出すべき強みは、出身によって変わる
- エンジニア出身者の職務経歴書、書き方のポイント
- ビジネス職出身者の職務経歴書、書き方のポイント
- オファー面談で年収の根拠を強くする、出身別の伝え方
- PdMとPjMの違いを理解しておくと、評価軸のズレに気づきやすい
- まとめ、年収の根拠をどちらの土俵で作るかが分かれ目
プロダクトマネージャーの年収相場と、エンジニア出身・ビジネス職出身の構成比
プロダクトマネージャーの年収相場を語るとき、多くの記事は年代別・地域別の平均値を並べて終わります。Geeklyが2025年6月から2026年5月にかけて、サービス利用者のうちIT業界への転職を希望する4,548名にWebアンケートで年収を尋ねたところ、平均は682万円、中央値は650万円、最高値は1,000万円でした(出典:Geekly「プロダクトマネージャーの年収相場は?」)。転職が成立した人の実績額ではなく、希望者の回答という点は押さえておいてください。
年代別では、20代が平均544万円・中央値545万円、30代が平均709万円・中央値735万円、40代が平均753万円と、年代が上がるほど高くなっています。
なお、同じPdMでもJACが公表している当社実績(2024年1月〜2025年7月)では平均が約976万円、ボリュームゾーンが750〜1,100万円と、Geeklyの数字より高く出ています(出典:JAC Recruitment 転職市場レポート)。母集団と時点が違い、JACはハイクラス層が中心の集計なので、どちらかが間違っているわけではありません。
ただ、この平均値だけを見て一喜一憂するのは早計です。PdMという肩書きには、たどってきたキャリアの起点がまるで違う人たちが集まっているからです。採用市場研究所が2,201名のPdMの1・2件前の経歴3,472件を分析した結果(調査期間は2017年4月〜2023年4月)では、エンジニア・データ職が24%で最も多く、次いでPdM自身が22%、PjM・コンサルが13%、営業が9%、マーケティングが7%という構成でした(出典:採用市場研究所「プロダクトマネージャーはどこから来たのか」)。
つまり2023年4月までのデータでは、PdMのおよそ4人に1人(24%)がエンジニア・データ職出身で、残りはPdM経験者、PjM・コンサル、営業、マーケなど多様です。求人票に書かれた「年収500万円〜900万円」というレンジは、この出身の違いをならして一つの数字に押し込めたものにすぎません。実際のオファー面談に立ち会うと、出身によって企業が見ている中身がかなり違うことがすぐに分かります。
この平均値・中央値は、企業規模や事業フェーズが違う求人をすべて合算した数字でもあります。数十名規模のスタートアップでは一人のPdMが仕様策定から開発ディレクションまで抱えることが多く、ある程度大きな事業会社ではプロダクト戦略の立案とロードマップ管理が中心で、開発の細部はエンジニアリングマネージャーに任せる分業になっていることが多いというのが、私が求人票と面接同席を通じて見てきた実感です。同じ「PdM」という職種名でも、企業がその役割に何を求めているかで、評価される力の配分自体が変わります。
なぜ出身背景で評価軸が変わるのか、企業が年収の根拠にする力の違い
企業がPdM候補者に年収を積む理由は、突き詰めると「社内で不足していて、すぐには育てられない力を埋めてもらえるかどうか」に尽きます。この「不足している力」が、エンジニア出身とビジネス職出身とではっきり違う場所にあるため、評価軸そのものが分かれます。
エンジニア出身に企業が積むのは「技術的意思決定力」
エンジニア出身のPdM候補者に対して企業が知りたいのは、開発チームとの間でどれだけ実質的な意思決定を担ってきたかです。「この機能はどこまで作り込むか」「技術的負債の返済を今やるか後回しにするか」「スケーラビリティを優先するかリリース速度を優先するか」といったトレードオフを、エンジニア組織を説得できる言葉で判断してきた実績があるかどうかを、企業側は面接の中でかなり時間をかけて掘り下げます。
これは、ビジネス職出身のPdMだと開発チームとの間で翻訳のロスが発生しやすいという企業側の警戒感の裏返しでもあります。要件を伝えたつもりが実装の難易度を無視した指示になってしまい、エンジニアの信頼を失って現場が回らなくなるケースを、採用担当者は過去に何度も見ています。だからこそ、エンジニア出身のPdMには「技術を分かった上で決められる人」という前提でオファー額が積まれます。
ビジネス職出身に企業が積むのは「事業成果と調整力」
一方でビジネス職出身のPdM候補者に企業が求めるのは、事業のKPIに対してどこまで自分の意思決定が直接効いたかという再現性です。売上・解約率・アクティブ率といった数字が、自分がPdMとして下した優先順位判断の結果として動いたのか、それとも営業やマーケティングの実行部隊としてただ数字を追っていただけなのかを、面接官は執拗に切り分けようとします。
さらに、営業・CS・マーケなど複数部門をまたいで機能開発の優先順位を握らせても社内政治に巻き込まれずに前へ進められるかという調整力も見られています。エンジニア出身者と違って技術的な検証は難しいぶん、企業側は数字と社内での立ち回りという、外から確認しやすい材料に評価の根拠を寄せる傾向があります。
このように、企業が年収の根拠にする力の違いをまとめると次のようになります。
| 評価軸 | エンジニア出身PdMへの期待 | ビジネス職出身PdMへの期待 |
|---|---|---|
| 意思決定の中身 | 技術的トレードオフの判断(負債返済、拡張性、リリース速度の優先順位) | 事業KPI達成に向けた機能投資の優先順位判断 |
| 年収の根拠にする実績 | 開発チームを説得して合意形成した経緯 | 売上・解約率・アクティブ率など数字への貢献の再現性 |
| 面接で深掘りされる質問 | 「なぜこの設計を選んだか」「エンジニアの反対をどう説得したか」 | 「なぜその機能に投資したか」「営業やCSとどう握ったか」 |
| 提示額が伸びやすい条件 | 技術以外の言葉でもエンジニア組織の信頼を語れること | 事業成果を自分の意思決定の結果として言い切れること |
ポイント: 企業は「エンジニア出身の方が優秀」「ビジネス職出身の方が優秀」という優劣でオファー額を決めているわけではありません。その求人が今どちらの不足を埋めたいかによって評価の物差し自体が変わるだけです。だからこそ求人票を見た時点で、どちらの軸で見られるポジションかを見極める必要があります。
PjM出身・コンサル出身はどちらの軸で語ればいいか
先ほどの分布データでは、1・2件前の経歴がPjM・コンサルだった人が13%を占めていました。この層は正直なところ、エンジニア出身とビジネス職出身のどちらか一方に寄せるより、案件ごとに軸を選んだ方が年収の根拠を作りやすいというのが私の実感です。
たとえばシステム開発のPjMを長く務めてきた方であれば、進行管理の経験だけでなく、要件定義の場面で仕様の落としどころをどう判断してきたかを語れれば、エンジニア出身側の評価軸に寄せられます。逆に事業会社の企画職でPjM的な役回りをしてきた方は、施策の優先順位をどんな根拠で決めてきたかを語れれば、ビジネス職出身側の評価軸で戦えます。「PjMもPdMも進行管理という点では同じ」という自己認識のまま面接に臨むと、どちらの軸でも意思決定の主体性が伝わらず、評価が中途半端になりやすい点には注意が必要です。
相談事例、同じ求人で78万円の差がついた二人の最終候補者
冒頭で触れた事例を詳しくお話しします。相談に来ていたのはGさん(34歳)。toB向けSaaS企業で法人営業を8年経験し、後半の2年はカスタマーサクセスも兼務しながら、事業側でのPdM転身を目指していました。同じタイミングで同じポジションの最終選考に残っていたのが、フルスタックエンジニアとして自社開発企業で7年働いてきたHさん(32歳)でした。二人とも別々の転職エージェント経由で、偶然同じ求人の最終選考に進んでいたのです。
面接評価シートを見せてもらう機会があったのですが、「プロダクトへの視座」「事業理解」といった項目の点数はほぼ同点でした。ところがオファー面談の段階になると、Hさんに提示された年収は690万円、Gさんには612万円。差は78万円でした。
理由は、その企業が抱えていた事情にありました。当時この会社は、老朽化したモノリシックなシステムを段階的に分割していく、規模の大きい技術的再構築を控えていて、PdMには開発チームの技術的な意思決定を実質的に任せられる人材が必要とされていました。Hさんの職務経歴書には、以前の職場でAPIの分割方針をめぐってチーム内の意見が割れた際、負債返済とリリース速度のどちらを優先するかを自分で判断し、エンジニア5人を説得して合意形成した経緯が具体的に書かれていました。これが、まさに企業が今埋めたい不足に直結していたのです。
Gさんの職務経歴書にも「部門間の調整をリードした」という記述はありましたが、その調整が具体的にどの数字をどう動かしたのかまでは書き込まれていませんでした。面接後のフィードバックにも「事業インパクトの再現性が見えにくい」という一文が残っていたと、Gさんの担当エージェントから聞きました。
Gさんはこのオファーを一度保留し、私のところに相談に来た際、「解約率を17%から11%に下げた施策は、実は自分がCS側の優先順位を決めて主導したものだった」という事実を思い出しました。ただ、この経緯を職務経歴書に書き加えて応募し直した頃には、最初の企業の選考はすでに終わっていました。
同時期に別のtoB SaaS企業でもPdM求人が動いていたため、書き直した職務経歴書のまま応募をつなげたところ、書類選考は通過。面接では「その解約率改善は本当にあなたの判断だったのか、上司の指示ではなかったのか」と、想定通り主体性を疑う質問が飛んできました。Gさんはそこで、CS内で意見が分かれていた優先順位づけの経緯と、自分がなぜその判断をしたのかという理由まで具体的に答えられたことで、最終的に655万円のオファーを引き出しています。同じ人でも、経歴の見せ方を変える前と後で、企業側が積める根拠の量がまったく違うということを、私はこの一連の選考を通じて改めて実感しました。
職務経歴書で前面に出すべき強みは、出身によって変わる
ここまでの評価軸の違いを踏まえると、職務経歴書で前面に出すべき情報も、出身背景によってはっきり分かれます。同じ経験を持っていても、書き方一つでオファー面談での根拠づけのしやすさが変わります。
エンジニア出身者の職務経歴書、書き方のポイント
エンジニア出身の方によくある失敗は、担当プロダクトの機能一覧や使用技術のスタックを並べるだけで終えてしまうことです。これでは、実装者としての実績は伝わっても、意思決定者としての実績は伝わりません。
書き換えの一例です。
- Before:「ECサイトの検索機能をReact/TypeScriptでリニューアル。パフォーマンス改善に貢献」
- After:「検索速度と開発コストのどちらを優先するか社内で意見が割れた際、A/Bテストの結果を根拠に段階的移行を提案。エンジニア6名の合意を取り、離脱率を9%改善」
ポイントは、「何を作ったか」ではなく「何を選び、誰を説得し、結果としてどの数字が動いたか」を書くことです。技術的な判断の場面で自分がどう関わったかを具体的に描けるほど、企業側は「この人には技術的意思決定を任せられる」という根拠を得やすくなります。
ビジネス職出身者の職務経歴書、書き方のポイント
ビジネス職出身の方によくある失敗は逆で、「調整力があります」「関係部署と連携して進めました」といった抽象的な言葉に頼りすぎることです。面接官が本当に知りたいのは、その調整が誰の指示によるものだったのか、それとも自分の判断だったのかという主体の所在です。
書き換えの一例です。
- Before:「営業とCSの意見を調整しながら機能改善を推進」
- After:「解約理由の上位3件を自分で分析し、優先順位を自分の判断で決定。開発チームに提案し、3ヶ月で解約率を17%から11%に改善」
「担当していました」「関わっていました」という受け身の表現を、「自分が決めた」「自分が提案した」という主体的な表現に置き換えるだけで、企業側が抱く印象は大きく変わります。営業やCSの実行部隊としての経験しかないのか、その中でPdMに相当する意思決定をすでにしてきたのかを、書類の段階で切り分けて見せられるかどうかで、書類選考の通過率そのものが変わってくるというのが、私が数多くの職務経歴書を添削してきた実感です。
両方の経験を持つ方ほど陥りやすい落とし穴もあります。技術的な判断の経験と事業成果の両方を職務経歴書に詰め込みたくなるのですが、限られた紙面で両方を中途半端に書くと、結局どちらの軸で評価すればいいのか企業側が判断できなくなります。応募する求人が今どちらの不足を埋めたいポジションなのかを求人票や面談内容から見極め、その求人に効く方の実績を厚く、もう一方は補足程度に留めるという書き分けの判断こそが、職務経歴書を作るうえで一番差がつく部分だというのが私の考えです。
オファー面談で年収の根拠を強くする、出身別の伝え方
職務経歴書を出身背景に合わせて書き分けても、オファー面談の場で同じ軸を再確認されなければ、書類の効果は薄れてしまいます。私がオファー面談に同席する際、出身別に候補者へ準備してもらっている伝え方のポイントを紹介します。
エンジニア出身の方には、提示された年収に対して「その金額は、私のどの経験を評価しての金額ですか」と直接尋ねることを勧めています。企業側の回答が「実装スキル」に寄っている場合、こちらが伝えたかった技術的意思決定の実績が正しく伝わっていない可能性があります。その場で「先ほどお話しした負債返済の判断のような場面は、御社ではどのポジションに期待されますか」と聞き返すことで、評価の軸を意思決定力の方に引き戻せることがあります。
ビジネス職出身の方には逆に、提示額の根拠として挙げられた実績が「実行力」なのか「意思決定力」なのかを、面談中の言葉から注意深く聞き分けるよう伝えています。「調整力を評価しました」とだけ言われた場合、それは実行部隊としての評価にとどまっている可能性が高く、事業成果への意思決定という軸ではまだ十分に評価されていないことがあります。この段階で、KPI改善の意思決定を自分が主導した具体的な場面を一つ追加で話せると、提示額の見直しにつながることもあります。
いずれの場合も、オファー面談の場で年収そのものを交渉するより先に、企業が自分をどの評価軸で見ているかを確認することが、根拠のある交渉につながる近道です。金額だけを見て一喜一憂すると、この確認の機会を逃してしまいます。
面接・オファー面談で実際によく聞かれる質問です。出身別に準備しておくと、その場で答えに詰まりにくくなります。
- (エンジニア出身向け)「技術的に難しい判断を、非エンジニアのメンバーにどう説明して合意を取りましたか」
- (エンジニア出身向け)「リリース速度と品質、どちらを優先すべきか意見が割れたとき、最終的に誰がどう決めましたか」
- (ビジネス職出身向け)「その施策の優先順位は、あなた自身が決めたものですか、それとも上長や他部署の意向でしたか」
- (ビジネス職出身向け)「開発チームに機能追加を依頼する際、技術的な実現可否をどこまで自分で判断していましたか」
いずれの質問も、突き詰めれば「意思決定の主体はあなただったか」という一点を確認するためのものです。準備の段階でこの一点だけは崩れないよう、事実関係を自分の中で整理しておくことをお勧めします。
PdMとPjMの違いを理解しておくと、評価軸のズレに気づきやすい
ここまでの評価軸の違いを理解しておくと、PdM(プロダクトマネージャー)とPjM(プロジェクトマネージャー)の違いにも自然と気づきやすくなります。PjMは決められた計画を予定通り進行させる役割が中心で、PdMはそもそも何を作るべきかという意思決定を担う役割です。この違いは、まさに本記事で扱ってきた「意思決定の主体だったかどうか」という論点そのものです。
エンジニア出身の方は、現場でPjM的な進行管理を任されてきた経験を「PdMもできます」と語りがちですが、面接官は意思決定の中身まで踏み込んで、進行管理だったのか設計判断だったのかを見抜こうとします。実際に私が同席した面接では、「マイルストーン管理をされてきたとのことですが、そのマイルストーン自体は誰が決めたのですか」と聞かれ、答えに詰まった候補者がいました。進行管理はできても、何を作るかという判断には関わっていなかったという実情が、この一問で露呈してしまったのです。
ビジネス職出身の方も同様に、営業計画の進行管理を「事業戦略の立案」と言い換えてしまうケースを、私は面接同行の中で何度も見てきました。「その戦略は、あなたが最初に立てたものですか、それとも上長の方針を落とし込んだものですか」という質問に対して、後者が実情であるにもかかわらず前者のように答えてしまうと、面談の後半でつじつまが合わなくなり、かえって評価を落とす結果になります。
未経験からPdMへの転身自体は不可能ではありません。ただし、直近の経歴のどこかに「自分が意思決定の主体だった」と具体的に語れる場面が最低一つ必要です。単に「担当していました」というだけの経験では、エンジニア出身であってもビジネス職出身であっても、オファー面談で根拠のある金額を積んでもらうのは難しくなります。
この「意思決定の主体だった場面」は、今の職場の中で意識的に作りにいくこともできます。エンジニアの方であれば、上長からの指示を待たずに技術的な選択肢を複数用意し、自分の推奨案とその理由を先に提示してみる。ビジネス職の方であれば、担当している数字が悪化した原因を自分で仮説立てし、対応策の優先順位まで決めて提案してみる。
どちらも規模の大きな取り組みである必要はなく、社内の小さな意思決定を自分の名前で語れる状態にしておくことが、転身のタイミングで職務経歴書に書ける材料になります。実際、これから半年〜1年かけてPdM転身を目指すという相談を受けたときは、まずこうした「自分で決めた」と言える実績を意図的に一つ作ることから始めてもらっています。
まとめ、年収の根拠をどちらの土俵で作るかが分かれ目
プロダクトマネージャーの年収は、エンジニア出身かビジネス職出身かという肩書きの違いで自動的に決まるわけではありません。企業がその求人で埋めたい不足がどちらの力なのかを見極め、自分の経験の中から意思決定の主体だった場面を選んで見せられるかどうかで、提示される金額の根拠づけのしやすさが変わります。
エンジニア出身なら技術的なトレードオフをどう判断し誰を説得したかを、ビジネス職出身なら事業の数字を自分の判断でどう動かしたかを、職務経歴書の中に具体的に埋め込む。この一手間があるかどうかが、GさんとHさんの間に生まれた78万円の差を分けたのだと、私は見ています。出身背景の優劣ではなく、自分の強みをどちらの土俵で語るかを自分で選べるかどうかが、PdM転職での年収を左右する一番の分かれ目です。




