「SESから自社開発に移れば年収は上がりますよね」——面談の場でこう聞かれるたび、私は即答を避けるようにしています。実際には上がる方もいれば、額面だけ見ると下がってしまう方もいるからです。

IT・Web業界を中心に800名以上の転職支援に携わってきましたが、この移動は業界内で最も相談件数が多いテーマの一つです。今回は、データと実際の相談事例をもとに、SESから自社開発企業への転職で年収がどう動くのか、上がるケースと下がるケースの両方を具体的にお伝えします。

今回は、次の内容に沿ってご紹介します。

  • 事業会社(自社開発)とSESの平均年収差、95万円という数字の中身
  • 年収が下がってしまう3つの典型パターンと具体的な金額例
  • 年収交渉で使える材料・使えない材料の見極め方
  • 「自社開発」を名乗るSES・受託企業を見分けるチェックリスト
  • 年収だけで判断すると転職後に後悔する理由
目次
  1. データで見るSESと自社開発の年収差、568万円と473万円の理由
  2. なぜ95万円もの差が生まれるのか
  3. 経験年数によって年収差は広がりやすい
  4. 年収が下がる3つの典型パターン
  5. パターン1:高単価案件に乗っていた人が給与テーブルで頭打ちになる
  6. パターン2:みなし残業代込み年収比較の罠
  7. パターン3:賞与体系の違いで初年度の手取りが減る
  8. 3つのパターンに共通する、オファー内容の確認ポイント
  9. 年収交渉で使える材料、使えない材料
  10. 「自社開発」を名乗るSES・受託企業の見分け方チェックリスト
  11. 年収だけで判断すると失敗する
  12. まとめ:年収差はデータより先に構造を理解する

データで見るSESと自社開発の年収差、568万円と473万円の理由

まず、根拠となる数字から確認します。ITエンジニア専門の転職エージェントであるGeeklyが2025年6月〜2026年5月の期間に実施した調査(有効回答4,548名)によると、業態別の平均年収は事業会社(自社開発)が568万円、客先常駐(SES)が473万円で、その差は約95万円です。社内受託は501万円で、SESより約28万円高い水準にとどまっています(Geekly Media「SESの平均年収とは?」)。

業態平均年収SESとの差
事業会社(自社開発)568万円+95万円
社内受託501万円+28万円
客先常駐(SES)473万円

求人サイトの給与データベースでも、システムエンジニア全体の平均年収はおおむね500万円前後、レンジで見ると400万円台後半から500万円台前半に集まる傾向が示されています。業態別の内訳までは公開されていませんが、Geeklyのデータと大きく矛盾しない水準です。なお、JISA(情報サービス産業協会)が毎年公表している情報サービス産業基本統計調査は、業界全体の給与水準を把握する一次統計として参考になりますが、SESと自社開発の内訳までは分解されていません。この点は数字を引用する際に注意が必要です。

なぜ95万円もの差が生まれるのか

この差額は偶然生まれているわけではなく、給与の決まり方の構造そのものが違うことに起因します。私が候補者に説明する際は、次の3つの軸で整理するようにしています。

  • 単価連動か給与テーブル連動か:SESは客先への請求単価をもとに給与が決まる構造が根強く残っており、単価が上がっても給与への還元は一部にとどまりがちです。自社開発企業は等級ごとの給与テーブルで決まるため、成果やスキルが評価に直結しやすい設計になっています
  • 評価制度の対象:SESでは客先からの勤怠評価・稼働率が重視されやすいのに対し、自社開発企業ではプロダクトへの貢献度や技術的な意思決定への関与度が評価軸になりやすい
  • 賞与の原資:SESは多重下請け構造の中でマージンが発生するため、賞与の原資そのものが薄くなりやすい一方、自社開発企業は自社サービスの利益を直接原資にできる

特に「単価連動か給与テーブル連動か」という点は、SES企業に長くいるとかえって実感しにくい部分です。SES企業の給与は、客先への請求単価のうち一定割合を還元する仕組みで決まっているケースが多く、私がこれまで見てきた範囲では、還元率はおおよそ商流の階層によって次のように変わります。

商流の位置還元率の目安月単価70万円の場合の給与イメージ
元請け(プライム)60〜70%42万〜49万円
二次請け50〜60%35万〜42万円
三次請け以降40〜50%程度28万〜35万円

同じ月単価70万円の案件にアサインされていても、所属するSES企業が商流のどの位置にいるかによって、本人に還元される給与は月10万円以上変わることがあります。エンジニア本人のスキルや評価とは無関係に、契約構造だけで手取りに差がつくのがSESという業態の特徴であり、これが自社開発企業の給与テーブルとの単純比較を難しくしている一因でもあります。

経験年数によって年収差は広がりやすい

もう一点、見落とされがちなのが、経験年数を重ねるほどSESと自社開発の年収差が開きやすいという傾向です。次の表は公的な統計ではなく、私がこれまで担当してきた候補者の年収帯から見えてきた体感ベースのレンジですが、傾向をつかむ参考にはなると思います。

経験年数SES(客先常駐)の年収帯(体感)自社開発企業の年収帯(体感)
2〜3年目380万〜450万円380万〜460万円
5年目前後450万〜550万円480万〜620万円
8年目以降500万〜620万円550万〜800万円以上

若手のうちはSESと自社開発の年収帯に大きな差はありません。差が開き始めるのは、経験5年を超えたあたりからです。SESは客先が支払える単価の天井にぶつかりやすく、そこから先はマネジメント側に回らない限り年収が伸びにくくなります。一方、自社開発企業は等級が上がるほど裁量や技術的な意思決定への関与が増え、それに応じて給与テーブルの上限も上がっていく設計になっていることが多いため、経験を積むほど差が広がりやすいというのが実感です。

この構造を理解しておくと、「なぜ同じ経験年数なのに年収が違うのか」という疑問に、感覚論ではなく仕組みとして説明がつくようになります。ただし、この構造がそのまま個々人の転職結果に当てはまるとは限りません。次の章では、むしろこの構造が逆に作用して年収が下がってしまうケースを見ていきます。

会社のカードから上と下に伸びる2本の矢印で、転職後に年収が上がる場合と下がる場合の両方があることを表したイラスト

年収が下がる3つの典型パターン

上位の転職エージェント系メディアの多くは、SESから自社開発への転職を年収アップの成功例として紹介しがちです。実際にそういうケースは多いのですが、私が現場で見てきた中では、額面だけ見ると下がってしまう相談も一定数あります。ここでは、実際によくある3つのパターンを紹介します。

パターン1:高単価案件に乗っていた人が給与テーブルで頭打ちになる

一つ目は、現在の年収が高単価の客先常駐プロジェクトに支えられているケースです。

以前担当した30代半ばのインフラエンジニアの方は、大手通信キャリアの基幹システム保守案件に常駐しており、月単価92万円という高単価プロジェクトにアサインされていました。SES企業側は元請けに近いポジションだったため還元率が高く、基本給・みなし残業・賞与を合わせた年収は580万円に達していました。ご本人は「このスキルなら自社開発でも同じくらいの評価をされるはず」と考えて転職活動を始めました。

この方が応募したSaaS系の自社開発企業(従業員150名規模)は、経験5年程度のエンジニアに対して450万円〜520万円という給与テーブルを持っており、選考自体は好意的に進みましたが、最終的なオファーは505万円でした。面談で「現年収は580万円です」と伝えたところ、企業側からは「等級テーブルの上限に近い金額でご提示しています」という回答があり、それ以上の上積みは難しい状況でした。

75万円のダウンです。この方の実務スキル自体が低かったわけではありません。単価の高さが個人の市場価値そのものではなく、案件の稀少性や契約条件に依存していた、という点が見落とされていました。自社開発企業の給与テーブルに当てはめると、経験年数相応の評価に落ち着いてしまったということです。

このパターンに心当たりがある方には、応募前に「現年収のうちどこまでが自分のスキルに由来し、どこまでが案件の単価に由来するのか」を切り分けて考えるよう伝えています。切り分けができていれば、オファー面談で年収差の理由を聞かれたときにも、納得した上で判断しやすくなります。

パターン2:みなし残業代込み年収比較の罠

二つ目は、額面上の年収を単純比較してしまうことで起きる誤解です。

SES企業の求人でよく見る「年収480万円(みなし残業45時間分を含む)」という表記は、あくまで45時間分の残業をした前提の金額です。求人票への固定残業代の時間・金額の明示は、職業安定法の指針で企業に求められているルールですが、書いてある時間数と実際の残業時間が一致するとは限りません。ある20代後半のエンジニアの方は、実際に月40時間前後の残業をこなしてこの480万円を得ていました。

転職先の自社開発企業は「年収460万円(みなし残業20時間分を含む)」という提示で、額面だけを見れば20万円のダウンに見えました。ところが実際に入社後の残業時間を確認したところ、月10時間程度に落ち着いていました。時間単価で計算すると、みなし残業を含めた実質的な時給はSES時代よりも上がっていたのです。

額面の年収だけを比較すると、労働時間の差が見えなくなるのがこのパターンの怖さです。私はオファー面談や条件確認の場で、みなし残業の時間数だけでなく、その企業のエンジニアの平均残業時間の実績も合わせて確認するよう伝えています。企業によっては、面談の場で直近数か月の平均残業時間を開示してくれることもあり、これは額面の年収以上に生活実感を左右する情報です。

パターン3:賞与体系の違いで初年度の手取りが減る

三つ目は、賞与の支給ルールの違いによって、入社1年目だけ手取りが落ち込むケースです。

SES企業に3年在籍していた20代のエンジニアの方は、賞与が年2回・合計4.5ヶ月分とほぼ固定されており、稼働率が大きく崩れない限り安定して支給されていました。転職先の自社開発スタートアップ(社員80名)は業績連動型の賞与制度で、年1回・0〜2ヶ月分というレンジで運用されていました。基本給自体は月2万円ほど上がったものの、入社1年目は前職の実績が評価に反映されない仕組みだったため、賞与は0.5ヶ月分にとどまり、年間の総支給額では前職を下回る結果になりました。

この方の場合、2年目の評価タイミングで担当したプロダクト改善が業績に結びついたことが評価され、賞与は1.5ヶ月分まで回復しました。単年度で見ると想定外のマイナスでしたが、2年目以降を含めた通算では前職を上回っています。賞与体系の変化は、単年度ではなく2〜3年のスパンで見て初めて評価できるというのが実感です。

ポイント: 基本給が上がっていても、賞与体系が「固定型」から「業績連動型」に変わる場合は、少なくとも入社1年目の年間総支給額は保守的に見積もっておく必要があります。可能であれば、面談時に「初年度の賞与は前職の実績を考慮した特別な取り扱いをしてもらえないか」と相談してみる価値もあります。実際に、入社時期を調整して評価サイクルに乗せてもらえた、というケースを見たこともあります。

3つのパターンに共通する、オファー内容の確認ポイント

ここまで紹介した3つのパターンには共通点があります。オファー通知書に書かれた「年収〇〇万円」という一つの数字だけを見て判断すると、内訳の違いに気づけないという点です。オファーを受け取ったら、私は次の項目を必ず内訳として確認するよう伝えています。

オファー内容を確認する際のチェック項目

  • 基本給はいくらか、そのうち何がみなし残業代として組み込まれているか
  • みなし残業の時間数と、実際の平均残業時間の実績はどれくらいか
  • 賞与は固定型か業績連動型か、直近数年の支給実績はどうだったか
  • 資格手当・住宅手当など、SES時代にあった手当が引き続き支給されるか

特に4点目の手当は見落とされがちです。SES企業では資格取得手当や客先常駐手当が手厚く設定されていることがあり、これらが自社開発企業への転職でなくなることで、基本給が上がっていても総支給額ベースでは横ばい、というケースも実際にあります。内訳を一つずつ確認する手間を惜しまないことが、額面の数字に惑わされないための一番確実な方法です。

3つのパターンを踏まえると、上がりやすい人・下がりやすい人には次のような傾向の違いが見えてきます。

上がりやすい人の特徴下がりやすい人の特徴
現年収が経験年数相応の給与テーブルに近い水準現年収が高単価案件のみに支えられている
みなし残業時間と実労働時間の差が小さいみなし残業時間が長く設定され、実労働時間もそれに近い
転職先の賞与制度が固定的な支給実績を持つ転職先の賞与が業績連動型で支給実績が浅い
担当工程が要件定義から運用まで幅広い担当工程が運用保守など特定領域に限定されている

年収交渉で使える材料、使えない材料

パターン1で紹介した「単価が高単価案件に依存していたケース」を踏まえると、SESから自社開発企業へ転職する際の年収交渉では、何を材料にできるかを見極めることが重要になります。オファー面談での交渉の進め方そのものは別の記事で詳しく扱っていますが、ここではSESから自社開発企業への転職に特有の、材料の選び方に絞って説明します。

まず、使いにくい材料から説明します。「現在の月単価は90万円です」「客先の評価は非常に高いです」という情報は、自社開発企業の採用担当者にとって直接的な判断材料になりにくいものです。単価は契約条件であって、業務内容やスキルレベルを直接示す指標ではないためです。私が候補者に「単価の高さをそのまま交渉材料にしないでください」と伝えるのはこのためです。

一方で、使える材料になりやすいのは、担当した設計・要件定義の工程、チームをリードした経験、技術選定に関与した実績といった、業務内容そのものを示す情報です。客先常駐先で要件定義から実装、リリース後の障害対応まで一気通貫で担当したという説明は、単価の話をしなくても、自社開発企業が求める「裁量を持って動ける人材」という評価軸に直結します。

交渉材料の整理

  • 使いにくい材料:月単価、客先からの評価、現年収の金額そのもの
  • 使える材料:担当した開発工程の幅、意思決定への関与度、チームマネジメントの経験、技術選定の実績

面談で「現年収はいくらですか」と聞かれた際にも、金額だけを答えるのではなく、その年収の根拠になっている業務内容とセットで説明すると、企業側も等級判断がしやすくなります。金額の交渉は、業務内容の説明があって初めて成立するものだと考えておくとよいと思います。

「自社開発」を名乗るSES・受託企業の見分け方チェックリスト

年収の話とは別に、もう一つ見落とされがちな論点があります。それは、求人票に「自社開発」「自社サービス」と書かれていても、実態はSESや受託開発に近い企業が一定数存在するという事実です。

こうした求人が生まれる背景には、採用市場の構造があります。多くのエンジニアが「自社開発企業で働きたい」と考えているため、実態としては客先常駐や受託開発が主体の企業であっても、社内に一部だけ存在する自社サービスを前面に出して求人を掲載するケースが後を絶ちません。悪意があるとは限らず、求人票の書き方として「間違いではないが、実態を正確には伝えていない」というグレーな表現になっていることが多いのが実情です。

この見分けがつかないまま入社してしまうと、給与テーブルの話以前に、期待していたキャリア形成そのものが得られないという事態に陥ります。実際に、ある候補者の方は面接で商流を尋ねたところ、担当者が言葉を濁し、後日「実は開発の8割は受託案件です」という説明があったことで、辞退を決めた例もありました。私が候補者に確認してもらっているチェックポイントを、求人票の読み方と面接での質問に分けて整理します。

求人票で確認すべきポイント

  • 「自社サービスあり」という表現に対し、開発体制全体に占めるその事業の比率が書かれているか
  • 募集要項の中に「客先常駐あり」「案件先常駐の場合あり」といった注記が紛れていないか
  • 「複数のプロジェクトを経験できる」という表現が、実は客先案件を渡り歩く体制を指していないか
  • 掲載企業と実際の就業場所(勤務地)が異なる記載になっていないか

面接で聞くべき質問

  • このプロダクトの仕様や機能追加の意思決定は、自社と客先のどちらが行っていますか
  • 開発チームのうち、正社員と業務委託・外部パートナーの比率はどれくらいですか
  • このサービスの商流はどうなっていますか(自社で完結しているか、元請けが別に存在するか)
  • 入社後に客先常駐やSES案件にアサインされる可能性はありますか。制度としてあるのか例外なのか
  • エンジニアの評価は何をもとに行われますか(プロダクトの成果指標か、稼働時間や客先評価か)

チェックリストのカードと虫眼鏡で、求人票と面接での確認作業を表したイラスト

特に商流に関する質問は、遠慮せずに聞いてよい部類の質問です。むしろ、この質問に対して曖昧な回答しか返ってこない、あるいは不機嫌そうな反応をされる場合は、それ自体が一つのシグナルだと捉えています。開発体制やプロダクトオーナーシップについて具体的に説明できる企業ほど、実態として自社開発の色合いが強い傾向があります。

この見分けは、年収の話にも直結します。実態がSESに近いにもかかわらず「自社開発」を掲げている企業に入社してしまうと、568万円という事業会社水準の給与テーブルではなく、実質的には473万円水準の運用のまま「自社開発企業の社員」という肩書きだけを得る、という本末転倒な結果になりかねません。ここまで紹介したチェックリストは、年収の期待値を正しく持つための前提条件でもあります。

年収だけで判断すると失敗する

ここまで年収の話を中心にお伝えしてきましたが、最後に強調しておきたいのは、年収の増減だけで転職の成否を判断すると見誤るという点です。

先ほど紹介した75万円ダウンのインフラエンジニアの方は、実は転職から1年半後に評価が上がり、年収が560万円まで回復しました。理由は、客先常駐時代には得られなかった設計・要件定義への関与機会が増え、給与テーブル上の等級が上がったためです。単価に依存した年収は高単価案件が終われば消える性質のものですが、プロダクトへの関与で積み上げた評価は、その後も本人に残り続けます。

逆に、年収が大きく上がったことだけを理由に転職を決め、実際には裁量のない運用保守業務に近い仕事を任され、数年で再転職を検討することになった方もいます。この方は「面接で開発体制を詳しく聞かなかったことを後悔している」と話していました。エージェントとして成功事例を紹介する立場ではありますが、年収が上がった転職イコール成功、下がった転職イコール失敗と単純に割り切れるものではない、というのが率直な実感です。年収は転職の重要な判断材料ですが、唯一の判断材料ではありません

もう一つ、年収の額面には表れない要素として、ストックオプションの有無があります。特にスタートアップ規模の自社開発企業では、基本給や賞与とは別にストックオプションが付与されることがあり、これはオファー通知書の「年収」欄には反映されません。以前担当した20代のエンジニアの方は、額面年収こそ30万円程度の微増でしたが、入社時にストックオプションの付与を受けており、将来的に上場やM&Aが実現すれば大きな含み益になる可能性がある契約でした。未上場企業の株式である以上、確実な利益ではありませんが、額面の年収だけを比較していては見えてこない要素の一つです。

年収以外に確認しておきたい軸

  • 開発チームにおける自分の意思決定の範囲(裁量権)
  • 扱う技術スタックが今後のキャリアで需要が伸びる領域かどうか
  • 評価制度が明文化され、透明性を持って運用されているか
  • 1〜2年後に、どのようなスキル・経験が積み上がっている状態を目指せるか

これらは面接の場で確認できることがほとんどです。開発体制やプロダクトへの関与度、キャリアの積み上がり方まで含めて検討することで、初めて「上がった・下がった」という数字の先にある納得感が得られます。

まとめ:年収差はデータより先に構造を理解する

Geeklyの調査データが示すとおり、事業会社(自社開発)とSES(客先常駐)の平均年収には95万円の差があり、これは単価連動と給与テーブル連動という構造の違いに根ざしています。一方で、高単価案件に依存した年収、みなし残業代の見込み時間の違い、賞与体系の違いという3つのパターンによって、額面だけ見ると年収が下がる転職も現実に存在します。

「自社開発だから年収が上がる」という単純な図式では判断しきれないというのが、800名以上を支援してきた実感です。求人票と面接でのチェックを怠らず、年収の増減だけでなく開発体制やキャリアの積み上がり方まで含めて検討する。この視点を持てるかどうかが、転職後の納得感を大きく左右します。