「コーディングテストの過去問は一通り解けるようにしたので、あとは面接だけです」——そう話していた候補者が、書類選考後に届いた適性検査の案内を見て固まる場面を、私はこれまで何度か見てきました。届いたのはアルゴリズムの実装課題ではなく、法則性や命令表を解かせるCAB・Web-CABだったからです。

私はIT・Web業界を中心に800名以上の転職支援に携わっていますが、SIerや自社開発企業の選考でこの適性検査を課す企業は一定数あり、対策の質がコーディングテストとは別物になることを知らないまま受験して、想定外のところで足切りに遭う中途転職者を毎年見ています。今回は、CAB・Web-CABとコーディングテストが測っているものの違いと、限られた準備期間でどちらを先に仕上げるべきかという優先順位を、現場で見た実例とともにお伝えします。

今回は、次の内容に沿ってご紹介します。

  • CAB・Web-CABがコーディングテストと根本的に測っているものが違う理由
  • SIer・自社開発の選考でCABが課される企業の傾向
  • 限られた準備期間、コーディングテスト対策とCAB対策のどちらを先に仕上げるべきか
目次
  1. CAB・Web-CAB適性検査とコーディングテストの違い、まず区別しておきたいこと
  2. SHL社のCAB、そもそも何を測っている検査なのか
  3. 紙のCABとWeb-CABの違い、科目別の問題数と制限時間
  4. コーディングテストとは根本的に別の準備が要る理由
  5. SIer・自社開発、CABを実施する企業の傾向
  6. 実例、コーディングテストに時間を使い切りCABをゼロ日で迎えたMさん
  7. 選考プロセス全体でCABはどこに位置づけられているか
  8. 限られた準備期間、コーディングテストとCAB対策の優先順位
  9. 科目別の対策のコツ、法則性・命令表を中心に
  10. 対策にかける時間の目安と、性格検査の受け方
  11. 合格ラインの考え方、正答率だけで判断しない
  12. よくある質問
  13. まとめ、CABとコーディングテストは対策の順番で差がつく

CAB・Web-CAB適性検査とコーディングテストの違い、まず区別しておきたいこと

CAB・Web-CABは、日本エス・エイチ・エル(SHL社)が提供する適性検査で、SE・プログラマー・カスタマーエンジニア・プロジェクトマネージャーといった職種を対象にしています。四則逆算、法則性、命令表、暗号という4つの能力検査と、パーソナリティ(性格検査)で構成され、実施形式には紙・Web・テストセンター方式があります(SHL公式サイトの説明)。

一方のコーディングテストは、実際に画面上でコードを書かせたり、オンラインジャッジ形式でアルゴリズムを実装させたりする選考です。両者は名前も見た目も選考フローの中で近い位置に置かれがちですが、測ろうとしている能力そのものが違います。CABは図形や数列の法則を短時間で見抜く情報処理の基礎能力を、コーディングテストは実際にプログラムを設計・実装する応用力を見ています。この違いを理解しないまま両方を同じ「技術系のテスト」として一括りに準備してしまうと、どちらか一方の対策が薄くなります。

SHL社のCAB、そもそも何を測っている検査なのか

CABの4科目のうち、四則逆算は暗算の処理速度、法則性は複数の図形やパターンから規則を見抜く力、命令表は与えられた命令記号の通りに数字を操作していく処理の正確さ、暗号はある変換ルールを類推する論理的思考力を測ります。いずれも知識の量ではなく、初見の問題を制限時間内でどれだけ速く正確に処理できるかという処理能力そのものを見る作りになっています。

この構成が示しているのは、CABが「プログラミングの知識を確認する試験」ではなく「システムエンジニアの適性、つまり論理的に規則性を捉えて手順通りに実行する力があるかを見るスクリーニング」だという点です。参考書を読んで暗記すれば解けるようになるものではなく、パターン別の解き方に慣れて処理速度を上げる練習が対策の中心になります。

同じSHL社の適性検査でも、事務系・総合職向けの玉手箱やSPIとは科目構成がまったく異なる点にも注意が必要です。玉手箱・SPIは言語(国語的な読解力)や計数(グラフ・表の読み取り)が中心になりますが、CABは図形・記号を使った処理速度と正確さに特化しています。エンジニア職の選考でこの2つを混同して玉手箱の対策本を買ってしまう候補者を見かけますが、出題形式が違うため対策としてはほぼ流用できません。

紙のCABとWeb-CABの違い、科目別の問題数と制限時間

同じCABでも、紙で受験する形式とWebで受験するWeb-CABとでは出題数と制限時間が異なります。ある対策記事に掲載されている数値では、Web-CABは四則逆算50問9分、法則性30問12分、命令表36問15分、暗号30問16分、パーソナリティ検査が20〜30分程度とされています(paizaの解説記事)。紙のCABはこれより出題数・制限時間がやや多く設定されている傾向があり、1問あたりにかけられる時間の感覚もWeb版とは変わってきます。

Web-CABの科目構成、目安の時間配分

  • 四則逆算:50問・9分(1問あたり約11秒)
  • 法則性:30問・12分(1問あたり約24秒)
  • 命令表:36問・15分(1問あたり約25秒)
  • 暗号:30問・16分(1問あたり約32秒)
  • パーソナリティ検査:20〜30分程度

1問あたりの持ち時間を並べてみると、四則逆算がとりわけ短く、腰を据えて考える余地がほとんどないことが分かります。ここで手が止まると後続の問題まで連鎖的に取りこぼす構造になっているため、解法を知っているかより先に、反射的に処理できるかが問われているというのが私の見立てです。

近年は面接と同様にオンラインで完結させる企業が増え、自宅から受験できるWeb-CABが主流になりつつあります。合同説明会や選考イベントのように応募者を一箇所に集める形式では、今でも紙のCABが使われることがあります。どちらの形式で案内されるかは企業の選考スタイル次第なので、案内メールに書かれた実施方法をよく確認しておくことが最初の一歩になります。

実施形式にはこのほかテストセンター方式もあり、自宅ではなく指定会場のPCで受験します。本人確認書類の提示が必須で、替え玉受験や複数人での協力を防ぐ運用になっています。自宅受験のWebテストと違って周囲に人の目がある分、普段の実力を出し切れず時間配分を乱してしまう候補者も見てきました。会場までの経路を前日までに確認しておく、開始時刻より余裕を持って到着するといった当たり前の準備が、地味に結果を左右します。

コーディングテストとは根本的に別の準備が要る理由

コーディングテストの対策は、アルゴリズムの引き出しを増やし、実装しながら考えを言語化する練習が中心になります。以前この観点で、ライブコーディング・オンラインジャッジ・ペアプログラミングそれぞれの落とし穴を詳しく取り上げましたが(コーディングテストで落ちる人に共通する準備不足)、いずれも「設計判断をどう説明するか」「時間内にどこまで実装し切るか」という応用力の勝負です。

CABの対策はこれと真逆で、同じ形式の問題をとにかく数多く解き、パターンを体に覚えさせる反復練習が中心になります。コーディングテストの過去問を1問解くのに30分かけて考え抜く訓練をしていた候補者が、そのままの感覚でCABの命令表に臨むと、1問に25秒しかない現実とのギャップに戸惑うことになります。実装力を鍛える訓練と、初見のパターンを瞬時に処理する訓練は、鍛え方の性質そのものが違うのです。

SIer・自社開発、CABを実施する企業の傾向

CAB・Web-CABは新卒採用での利用がよく知られていますが、SEやプログラマーの適性を測る検査という性質上、中途採用でも実施する企業があります。私が担当してきた案件の範囲でも、大手SIer系列の子会社や、SIerからの転籍・出向を受け入れる基盤を持つ企業で、書類選考通過後の一次スクリーニングとして課されるケースを見てきました。自社開発企業では実施頻度は下がりますが、選考プロセスをSIer時代のまま踏襲している中堅企業で見かけることがあります。

対象になりやすいのは、経験年数が浅い候補者や、これまでの職務経歴だけでは実務でのプログラミング能力を判断しにくい候補者です。逆に、実務での成果物やGitHubのアウトプットで技術力を確認できる候補者に対しては、CABを省略してコーディングテストや技術面接一本に絞る企業も少なくありません。求人票の選考プロセス欄に「適性検査」とだけ書かれていて中身が分からない場合は、エージェント経由であれば事前に問い合わせておくと当日の心構えが変わります。

求人票だけを見て事前にCABの有無を判別するのは難しいのが実情です。「適性検査あり」という表記だけではSPIなのか玉手箱なのかCABなのか区別がつかず、応募後の案内で初めて分かるケースがほとんどだからです。私が候補者から相談を受けたときは、応募前の段階で企業担当者や人事に「選考のどこかで適性検査はありますか、あればどの種類ですか」と確認できないか、まずエージェント経由で聞いてみるようにしています。同じ企業を過去に受けた候補者の実績が社内に蓄積されていれば、案内が来る前からある程度の見通しを伝えられることもあります。

ある対策記事では、外資系IT企業や大手SIer系列を中心にCABの実施企業例が約25社紹介されています(reashuの記事内での言及)。これは当ブログが独自に確認した一次情報ではなく、あくまで対策記事内で紹介されている例に過ぎませんが、応募者数が多く画一的な基準で足切りをかける必要がある外資系IT企業や大手SIerで採用されやすい傾向は、私が現場で見てきた感覚とも重なります。応募者一人ひとりに時間をかけた面接ができない規模の選考ほど、CABのような客観的な指標を早い段階に挟みたくなるのだと考えています。

選考フロー全体で見ると、SIer寄りの企業ほど「書類選考→CAB→技術面接→最終面接」という直線的な流れになりやすく、自社開発企業では「書類選考→カジュアル面談→コーディングテストや持ち帰り課題→最終面接」という、実装力を早い段階で見せる流れになりやすい傾向があります。持ち帰り課題の分量から企業の開発体制が透けて見える話は以前の記事でも触れましたが、CABか持ち帰り課題かという選考設計の違いにも、その企業がエンジニアに何を期待しているかが表れていると感じています。

実例、コーディングテストに時間を使い切りCABをゼロ日で迎えたMさん

Mさん(28歳・経験5年、独立系SESで製造業向け生産管理システムの保守に客先常駐)から相談を受けたのは、大手SIer系列の自社開発子会社に応募し、書類選考を通過した直後のことでした。次の選考ステップとして案内されたのはコーディングテストとWeb-CABの両方で、実施日は同じ週に指定されていました。案内メールには「Web-CAB(適性検査)」とだけ短く書かれており、Mさん自身も最初は何の検査か分からず、私に問い合わせて初めてSHL社の適性検査だと知ったという経緯があります。

Mさんはこの案内を見て、まずコーディングテストの対策に時間を集中させることに決めました。業務で触れていなかったアルゴリズム問題の演習サイトに登録し、平日の帰宅後に1時間ずつ、3週間かけて過去問を解き込みました。一方のCABについては「性格検査みたいなものだろう」と軽く考え、対策に手をつけないまま本番の受験日を迎えました。

結果は、命令表の設問で残り6問を1分で埋めようとして時間切れになり、四則逆算も終盤で計算ミスが重なりました。コーディングテストの評価自体は悪くなかったものの、CABの総合スコアが基準に届かず、二次面接に進めないまま見送りの連絡が届きました。Mさんは「まさか計算問題で落ちるとは思わなかった」と、選考結果を聞いて何度も同じ言葉を繰り返していました。

ポイント: コーディングテストの対策に慣れていても、CABの命令表・法則性は解き方の型そのものが違います。準備ゼロで臨むと処理速度で足を引っ張られるというのが、この失敗の本質です。

その後Mさんは、別の自社開発企業の選考で再びWeb-CABを課され、今度は本番の10日前から毎晩30分、法則性と命令表の問題集を科目ごとに1周ずつ解いて型に慣れる練習を組み込みました。コーディングテストの演習時間を削らず、就寝前の30分だけをCABに充てる配分に変えた結果、両方のスコアが基準を満たし、次の面接ステップに進むことができました。

面接に進んだ後、面接官からCABの結果そのものについて質問されることは一度もなかったそうです。Mさんはこの経験を振り返って「CABは通ることが前提で、通った後は誰も気にしていない検査なんだと分かった」と話していました。合否を分ける関門ではあっても、通過した後まで引きずるものではないという受け止め方は、これから受験する候補者にも伝える価値があると感じています。

選考プロセス全体でCABはどこに位置づけられているか

CABは書類選考の直後、面接に進む前の一次スクリーニングとして使われることが多く、面接そのものの評価材料としては前面に出てきません。Mさんのケースのように、通過してしまえば面接官が結果を話題にすることはほとんどなく、あくまで「一定の処理能力があるかどうか」を足切りする役割に徹しています。コーディングテストが技術面接と地続きで深掘りされるのとは対照的です。

この位置づけを踏まえると、CABは満点を狙う対象ではなく、基準点を安定して超えられる状態を作ることがゴールになります。コーディングテストのように評価に差をつけて競う性質のものではないため、対策にかける時間の考え方も自然と変わってきます。

限られた準備期間、コーディングテストとCAB対策の優先順位

転職活動と並行してCAB対策までフルで積むのは現実的ではありません。私が候補者に伝えているのは、先に技術力を測るコーディングテストの土台を作り、そのうえでCABは「型に慣れる」ための短時間反復を後乗せするという順番です。理由は単純で、コーディングテストは実務能力そのものの証明であり配点比重も選考全体で大きい一方、CABは短期間の反復練習でもスコアが伸びやすい性質を持っているためです。

準備期間が限られているときの配分の考え方

  • まずコーディングテストの過去問・実装演習に大半の時間を割く
  • CABの案内が来たら、科目ごとに1周だけ問題集を解いて出題パターンを頭に入れる
  • 本番直前の数日は、1問あたりの制限時間を意識した通し練習に切り替える
  • 四則逆算は特に反射速度が要るため、毎日5分でも継続して感覚を鈍らせない

コーディングテストの対策を後回しにしてCABだけを仕上げてしまうと、本来の選考の主戦場である技術力の証明がおろそかになります。順番を誤ると、Mさんの一度目のように「片方は通ったのにもう片方で落ちる」という結果になりやすいというのが、現場で見てきた実感です。

案内から受験日まで数日しかないような余裕のない日程を指定されることもあります。その場合は、法則性と命令表の2科目だけに絞って問題集を1周する、というように科目を取捨選択して構いません。四則逆算と暗号は普段の暗算力・論理力がそのまま出やすい科目なので、直前の詰め込みより素の状態で臨んだ方が結果としてぶれが少ないというのが、これまで見てきた候補者の傾向です。

科目別の対策のコツ、法則性・命令表を中心に

法則性は、図形の回転・反転・色の変化など複数の変化要素が同時に起きるため、どの要素から順に確認するかという見る順番を固定しておくと迷いが減ります。命令表は、与えられた記号のルールを都度読み返すのではなく、頻出する命令パターンを先に覚えてしまい、記号を見た瞬間に処理を再生できる状態を目指す練習が効果的です。

暗号は変換ルールの類推に時間がかかりやすい科目ですが、頻出パターン(文字のシフト、対応表の置き換えなど)を先に押さえておくと初見の問題でも仮説を立てるスピードが上がります。四則逆算は暗算の絶対的なスピードが求められるため、電卓を使わない暗算練習を日常的に取り入れておくことが、直前の付け焼き刃よりも効いてきます。

対策の教材は、書店に並ぶCAB専用の問題集を1冊用意すれば十分です。玉手箱・SPIの対策本と混同して買ってしまう候補者を時々見かけますが、科目構成がまったく違うため流用がききません。表紙や目次で「CAB」「Web-CAB」と明記されているものを選ぶようにしてください。問題集は1周目に時間を計らず解き方を理解し、2周目以降で制限時間を意識した通し練習に切り替えると、限られた時間でも効果を実感しやすくなります。

対策にかける時間の目安と、性格検査の受け方

対策にかける時間の目安として、最低でも10〜15時間、余裕を持って仕上げるなら20時間以上を挙げている解説記事があります(reashuの解説記事)。これは科目ごとに問題集を2〜3周する分量に相当し、コーディングテストの演習と並行して確保するなら、1〜2週間かけて分散させるのが現実的です。

在職中の転職活動をしている場合、まとまった時間を取れるのは平日の夜と週末に限られます。私がMさんの二度目の受験で一緒に組んだスケジュールは、平日は帰宅後にコーディングテストの演習を優先し、就寝前の30分だけをCABの問題集に充てる、週末は苦手科目(Mさんの場合は命令表)だけをまとめて1時間解き直す、という配分でした。1日あたりの負荷を上げすぎず、受験日までの残り日数から逆算して毎日の分量を決めておくと、直前になって焦って詰め込むことを避けられます。

性格検査(パーソナリティ)については、対策というより受け方の問題です。回答に一貫性を持たせることが、個々の設問で「良く見える」回答を選ぶことより重要だというのが私の考えです。似た内容の設問が言い回しを変えて繰り返し出てくる作りになっているため、その場しのぎで回答をぶらすと矛盾として検出されやすくなります。ふだんの自分の判断基準に沿って、深く考えすぎずテンポよく答えていくくらいでちょうどいいはずです。

1問あたりにかけられる時間は数秒程度しかないため、選択肢を読んで最初に浮かんだ答えをそのまま選んでいくくらいの速さで進めて構いません。時間をかけて「どう答えれば評価が上がるか」を考え込むほうが、かえって回答の一貫性を崩す原因になります。

合格ラインの考え方、正答率だけで判断しない

CABの合格ラインは各社非公開で、一般的な目安として正答率6〜7割程度が語られることもありますが、実際の判定基準は企業ごとに変動幅があります。数字を追いかけて一喜一憂するより、時間内に解き切れる問題数を科目ごとに増やしていくことを練習の目標に置く方が、本番でのぶれが小さくなります。

CABの結果だけで合否が決まるわけでもありません。多くの企業では、CABはコーディングテスト・面接と組み合わせた総合判断の一材料として扱われています。CABの手応えが悪かったからといって選考を諦めず、次の面接に向けた準備も並行して進めておく姿勢が結果的に無駄になりません。

よくある質問

CABと玉手箱、SPIは同じ適性検査ですか。 いずれもSHL社系列の適性検査ですが、それぞれ測る内容や対象職種が異なります。玉手箱・SPIは事務系・総合職も含めた汎用的な適性検査であるのに対し、CABはSE・プログラマー職に特化した内容で構成されています。対策本や問題集を選ぶときは、CAB専用のものを使うようにしてください。

Web-CABの受験に電卓は使えますか。 四則逆算は暗算のスピードそのものを見る科目という性質上、電卓なしで解けるレベルまで仕上げておくのが無難です。自宅受験のWeb-CABでは電卓の使用を制限していない企業もある一方、テストセンター方式では持ち込みが認められないのが基本です。可否は企業や実施形式によって変わるため、案内メールに記載された受験環境の注意事項を必ず確認してください。

中途転職でもCABを実施する企業はありますか。 新卒採用ほど一般的ではありませんが、SIer系列の子会社や、選考プロセスをSIer時代から引き継いでいる企業では中途採用でも実施されることがあります。求人票やエージェントからの案内に「適性検査」とだけ書かれている場合は、内容が分からないまま当日を迎えないよう、可能なら事前に確認しておくとよいでしょう。

コーディングテストとCAB、どちらが先に実施されますか。 企業によって順番はまちまちですが、書類選考の直後にまとめて案内され、同じ週に両方受験することを求められるケースをよく見ます。案内が来た時点で日程を確認し、どちらの対策にどれだけ時間を割けるか逆算しておくと、Mさんのように片方に時間を使い切ってしまう事態を避けやすくなります。

CABで基準に届かなかった場合、同じ企業に再応募できますか。 企業ごとの規定によりますが、一定期間内の再応募を制限しているケースが一般的です。再応募の可否は選考結果の連絡に記載されていることが多いので確認してください。同じ企業への再挑戦を待つより、別の企業の選考でCAB対策を仕上げていく方が、転職活動全体のペースは落ちにくいというのが私の実感です。

CABの結果は、入社後の配属先の判断にも使われますか。 企業によっては、面接だけでは見えにくい処理能力の傾向を配属検討の参考情報として使う場合があります。ただしこの点は各社の運用次第で公表されていることは少なく、CABの結果だけで配属が決まるものではありません。選考通過後まで気にしすぎる必要はなく、まずは基準を超えることに集中してください。

まとめ、CABとコーディングテストは対策の順番で差がつく

CAB・Web-CABとコーディングテストは、名前が並んで語られることが多い割に、測っている能力も対策の性質も別物です。コーディングテストが実務での実装力を測るのに対し、CABは初見のパターンを制限時間内で処理する反射的な能力を測っています。この違いを理解しないまま両方を同じ延長線上の対策で済ませようとすると、Mさんのようにどちらか一方で足をすくわれます。

限られた準備期間では、まずコーディングテストの土台を作り、CABは短時間の反復練習で型に慣れておくという順番が現実的です。対策の量よりも、どちらを先に仕上げるかという順番の判断が合否を分ける、というのが今回一番伝えたかったことです。

案内が届いた瞬間に「両方一気に仕上げなければ」と焦る必要はありません。技術力の証明という本丸を守りながら、CABには型に慣れるための最小限の時間を後乗せする——この順番さえ間違えなければ、Mさんのように一度つまずいても次の選考で立て直せます。焦って両方を中途半端に仕上げるより、順番を決めて一つずつ土台を固めていく方が、結果的に近道になります。